NTCサーミスタの10kΩは何℃の値?R25とB定数、自己発熱を分けて読もう

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部品の説明には「10kΩ」。ところが、温度が変わると抵抗値も変わるらしい。
それなら、この一万オームはいつの数字なんだろう?

まずは、抵抗値の横に書かれた温度を見てみて。R25が10kΩという説明なら、二十五度での抵抗値を示しています。どの温度でも一万オームを保つ、という意味ではありません。

ここが分かると、サーミスタの仕様表が少し読みやすくなるよ。
一つの数字に全部を背負わせず、「ある温度での抵抗値」「温度が変わったときの変化」「測ることで起こる発熱」を分けて見るんです。

この記事は村田製作所のNTCサーミスタの基礎資料をもとに、R25、B定数、温度計算、測定条件を読む入門です。特定の部品で回路を組んだ実験報告ではありません。計算用に置く抵抗値やB定数は、その都度、仮の条件として示します。

目次

温度が上がると抵抗が下がる。10kΩには温度もセットで付けよう

NTCは、負の温度係数を示す呼び名です。村田製作所の説明では、主に酸化物半導体セラミクスを材料とし、温度が上がると抵抗値が下がる特性を使います。

半導体の話に出てくるけれど、ここで見ているのはトランジスタのスイッチ動作ではなく、抵抗値と温度の関係なんだね。部品を読む入口を、まずそこへ合わせよう。

メーカーの基本特性にも、抵抗値は必ず温度と組にして表す必要があると説明されています。たとえば「10kΩ・25℃」と「10kΩ・50℃」は、同じ条件の数字ではありません。

R25という表記を見つけたら、二十五度に対応する抵抗値として控えます。Rの後ろの25は、二十五個入りという数でも、使える温度の上限でもないよ。商品や資料でどう定義されているかを確かめてから読んでね。

たとえば、次のように書くと情報の抜けに気づきやすいです。

資料から控えるもの 読みたい意味
抵抗値10kΩ 10,000Ωという抵抗の大きさ
測定温度25℃ その抵抗値を対応させる温度
抵抗値の許容差±1% 規定された条件での抵抗値の幅
NTCという種類 温度上昇に対する抵抗変化の向き

これは架空の記入例です。実際に購入する部品へ、この四つの値がそのまま当てはまるという紹介ではありません。

この仮の条件なら、二十五度における10kΩの±1%は、9,900Ωから10,100Ωです。一万の一パーセントが百なので、基準の値から百を引く、百を足すと確認できます。

ただし、±1%をそのまま「温度が±1%の誤差で分かる」と読むことはできません。今見ているのは抵抗値の幅。温度へ換算するには、抵抗と温度の関係がもう一つ必要になります。

ここで、次のB定数へつながるんです。抵抗値の欄を見ただけで温度センサとしての情報が全部そろった、と思わなくて大丈夫。今は二十五度という一か所の目印を見つけたところだよ。

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B(25/50)の二つの数字は、比べる温度。動作範囲とは別だよ

仕様表のB定数に「3380K」といった値があると、三千度以上でも使える部品なのか、と一瞬混乱するかもしれません。

でも、ここでのKはB定数に付く単位です。部品へ加えてよい温度の上限を示す欄ではありません。使用できる温度は、その製品の使用温度範囲として別に確認しよう。

村田製作所の基本特性では、B定数を規定するには二つの温度が必要で、選ぶ二点が異なるとB定数も異なると説明しています。同ページでは二十五度と五十度で定義するB(25/50)という表記を紹介しています。

つまり、Bの数値を比べるときは、その横の二つの温度も一緒に見るんだね。「B定数は同じくらいだから交換できそう」と、数値だけで先へ進まないようにしたいところ。

たとえば、ある資料ではB(25/50)、別の資料ではB(25/85)と規定されているなら、まず条件が違うと書いておこう。同じ部品の別条件なのか、違う製品なのかも分けて確認します。

ここではB定数を、抵抗値と温度の関係を計算するときに使う値として考えます。温度が一度変わるごとに抵抗が同じオーム数ずつ減る、という直線の傾きに置き換えないでね。

比べるメモは、こうして一行を長めに取ると役立ちます。
「R25=10kΩ、B(25/50)=3380K、どちらも仮の値」。
抵抗とBだけをばらばらに書くより、基準にした温度と二点の条件が残ります。

そして、B定数が大きければ、温度計として必ず高精度というわけでもありません。変化の大きさを表すことと、測った温度がどれだけ確かかは別の話です。抵抗値やB定数の許容差、回路、取り付ける場所なども関係するので、一つの欄だけで優劣を決めないようにしよう。

資料を読む段階では、まだ部品を買い替えなくていいよ。今ある二枚の仕様表で温度条件がそろっているかを、先に見比べてみてください。条件が違うと気づけたなら、それだけでも次に調べる場所が一つ決まります。

関連本の目次を使うなら、サーミスタの基礎編から入り、その後に回路編へ進む選び方ができます。今回は目次を確認した段階で、特定の式や最新部品の収録ページまで確認した紹介ではありません。

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二十五度から五十度へ。仮の条件で計算すると、下がり方が見えてくる

では、一度だけ計算してみよう。
使うのは、R25=10kΩ、B=3380Kという仮の条件です。特定の製品の保証値や実測値ではなく、メーカーが示す式の読み方を確かめるために置いています。

抵抗と温度の関係は、次の式で表せます。
R=R0×exp{B×(1/T-1/T0)}。

R0は基準温度T0のときの抵抗値、Rは調べたい温度Tのときの抵抗値。expは自然指数関数です。そしてTとT0へ入れるのは、摂氏の数字そのままではなく、絶対温度です。

ここ、数字を入れる前に止まってね!
二十五度なら298.15K、五十度なら323.15K。温度の数値に273.15を足してから計算します。式に25と50をそのまま入れると、違う計算になってしまいます。

今回の条件で計算し、抵抗値を見やすく丸めると次のようになります。

温度 式に入れる絶対温度 仮の計算結果
25℃ 298.15K 10.00kΩ
30℃ 303.15K 約8.29kΩ
40℃ 313.15K 約5.81kΩ
50℃ 323.15K 約4.16kΩ

おお、温度が上がるにつれて抵抗が下がっているね。ただ、二十五度から五十度へ二倍になったから、抵抗が半分になる、と計算した表ではありません。摂氏の倍率で抵抗の倍率を決める関係でもないんです。

たとえば三十度から四十度では、約8.29kΩから約5.81kΩへ。四十度から五十度では、約5.81kΩから約4.16kΩへ下がります。同じ十度の差でも、下がるオーム数はそろっていません。

ここを直線の足し算で埋めると、途中の温度を読み違える可能性があります。計算式を使うのか、メーカーが用意した抵抗温度の表を使うのか。実際の部品では、目的と必要な精度に合う資料を選ぼう。

Bの違いも、同じ条件の中でなら比べられます。R25を同じ10kΩにして、仮にBを3950Kへ変えると、この式による五十度の抵抗値は約3.59kΩになります。基準の抵抗値が同じでも、ほかの温度で同じになるとは限らない、と分かる例です。

ただし、この表を市販の十キロオームのサーミスタ全部に使わないでね。実際のB定数、規定温度、許容差は製品ごとに確認が必要です。Bを一定として計算した近似なので、表の範囲を超えた温度へ広げたり、規格の保証値に置き換えたりもしません。

表計算へ入れるなら、最初は二十五度の行を作り、Rが基準と同じ一万オームへ戻るかを見てみよう。そのあと五十度を計算する順番なら、式の入力を確かめる基準が二つできます。単位をそろえるところまでを、一緒に計算の準備へ入れておこうね。

反対に、抵抗値から温度を求めたい場合もあります。同じ式を変形すると、1/T=1/T0+ln(R/R0)/B。lnは自然対数で、この式のTも絶対温度です。最後に273.15を引いて、摂氏へ戻します。

先ほどと同じ仮のR0=10,000Ω、T0=298.15K、B=3380Kを使い、Rを9,800Ωと置くと、温度は約25.53℃になります。抵抗が基準より少し低いので、基準の二十五度より高い結果になる。NTCの変化の向きとも合わせて確認できるね。

この計算では、9.8kΩを9,800ΩへそろえてからR/R0を作ります。両方をキロオームへ統一して9.8/10としても同じ比になりますが、9.8/10,000では違う比になってしまいます。

もちろん、実際に9,800Ωと測った部品の温度を、必ず25.53℃だと決める例ではありません。ここでは基準抵抗とBを仮に確定させて計算しただけ。測定値の細かさや電卓の桁数と、実際の温度がどこまで確かなのかは分けて読もう。

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測る電流で自分も温まる。抵抗値のずれを、すぐ故障にしないでね

NTCサーミスタは温度で抵抗が変わります。では、測定するために電流を流し、その部品自体が温まったら?

そう、周囲の温度だけを見ているつもりでも、自分で発生させた熱の影響を考える必要があるんです。村田製作所の基本特性でも、自己発熱が十分小さい条件で抵抗を測ることや、電流による発熱で抵抗が下がることを説明しています。

だから、「部屋は二十五度のはずなのに、抵抗がぴったり一万オームではない」ときに、すぐ壊れていると決めないでね。まずはその一万オームがどの条件の値か、許容差はどうなっているか、測定時にどう接続しているかを順に確認したいところです。

見る場所を分けると、次のようになります。

気になった点 次に確かめる資料や条件
表示より抵抗が低い センサ自体の温度、許容差、測定条件
数字がすぐ安定しない 温度変化の途中か、取り付け方と周囲の状態
ほかの部品と値が違う 品番、基準温度、B定数と各許容差
回路へ入れると読みが変わる 回路図、測定方法、その製品の定格

この表は故障を否定する診断表ではありません。どこを調べるかを決めるための順番です。現物の故障や安全性を、記事の説明だけで判定することはできません。

特に、使ってよい電流や電圧を、ここで一律の数字にすることはしません。測定条件と定格は製品の資料へ戻ろう。「小さい電流で測ればいい」という理解から、型番の違いを無視した同じ値の指定へ飛ばないようにしたいね。

また、測りたい物の温度と、サーミスタそのものの温度を区別して考えてください。取り付ける場所が違えば、そもそも何を測っているかも変わります。温度の表示を直したくなったとき、計算式の定数だけを先に変えるより、どこへどう付けたかを確かめるほうが先です。

抵抗値から温度を出す計算ができても、それで温度計全体の正確さまで保証されたわけではありません。逆に、数字が少し違ったというだけで、センサという仕組み全体が分からなくなったと思わなくていいよ。条件を一つずつ戻って確かめられます。

その先を本で学ぶ候補が、トランジスタ技術編集部編、CQ出版の『実用センサ&回路大事典』です。版元の公開目次では、温度を検出する部にサーミスタの基礎編と回路編が並んでいます。温度センサ以外にも光や磁気などを扱う本なので、サーミスタだけの専用書を求める場合は構成を見て選んでね。

今回は書籍の全本文や個別の製作例までは確認していません。特定のサーミスタと基板が付属する商品とも紹介していません。購入するなら書名とISBN9784789845243を合わせ、価格や配送条件はその時点の販売ページで確認してください。

まずは、手元の資料の抵抗値の横に温度があるか。その次に、Bの横に二つの温度があるか。
その二か所が読めれば、「10kΩっていつの値?」という最初の疑問から、ちゃんと次のページへ進めるよ。いきなり式を全部覚えるより、その数字が何と組になっているかを探すところから始めてみよう。

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出典:NTCの材料と温度変化の向きは村田製作所の動作原理、温度と抵抗の関係式・B定数の規定温度・自己発熱は同社の基本特性、関連書籍の書誌と目次は版元提供情報、実在商品はbookfanの商品ページを参照しました。二〇二六年十月十七日確認。表の数値は明記した仮の条件による計算で、実測や製品の保証値ではありません。

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この記事を書いた人

半導体の仕組みや業界、仕事を調べ、初めての方にも伝わる言葉で解説する編集部です。

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