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電子工作でLEDを光らせるとき、「LEDには抵抗をつけて」と言われますが、その抵抗値をどうやって決めればいいのか迷いますよね。電源につなげるだけではなく、流れる電流を決めるための抵抗が「電流制限抵抗」です。
この記事では、ローム(ROHM)の技術情報サイト「TechWeb」の「LED回路構成」のページをもとに、LEDの電流制限抵抗の求め方を5つのポイントにまとめます。計算例の数値は、この記事で説明のために置いた仮の値です。後半の、実際に部品を選ぶときの手順は、この記事の提案です。
※LEDの順方向電圧や流してよい電流は、製品ごとに異なります。実際に回路を作るときは、使うLEDのデータシートで値を確認してください。
電流制限抵抗とは
LEDと直列に入れる抵抗
ロームの説明では、LEDを定電圧で直列に点灯する場合、一般的にはLEDと直列に、電流を制御する抵抗を入れた回路で構成する、とされています。この抵抗の値によって、LEDに流れる電流が決まります。
順方向電圧(VF)とは
ロームによると、LEDの正方向に電流を流したときに、アノードとカソードの間に生じる電圧を順方向電圧(VF)といい、単位はV(ボルト)です。データシートには、流す電流と、そのときの順方向電圧の関係を表した「順方向電流(IF)-順方向電圧(VF)特性」のグラフが掲載されています。
いちばん大事な特性
ロームは、このIF-VF特性が、LEDの点灯回路を検討するときに最も考慮すべき特性項目だ、と説明しています。
電流制限抵抗を求める5つのポイント
1. 流したい電流(IF)を決める
まず、LEDにどれだけの電流を流すかを決めます。データシートのIF-VF特性から、点灯させたい順方向電流(IF)を選びます。流してよい電流の上限も、データシートで確認しておきましょう。
2. そのときの順方向電圧(VF)を読み取る
ロームの説明では、IF-VF特性のグラフから、点灯するLEDの順方向電流(IF)と、そのときの順方向電圧(VF)の値を読み取る、とされています。VFは電流によって変わるため、決めたIFに対応する値を読むことが大切です。
3. 式に入れて抵抗値を計算する
読み取った値を式に入れて、抵抗(R)の値を決めます。定電圧駆動で直列につなぐ場合の考え方は、次のとおりです。
R =(電源電圧 Vin - LEDの順方向電圧の合計 ΣVF)÷ 順方向電流 IF
抵抗にかかる電圧(電源電圧からLEDの電圧を引いた分)を、流したい電流で割る、というオームの法則の考え方です。
4. VFは材質・色・温度で変わり、バラツキもある
ロームは、IF-VF特性はLED素子の材質やサイズ、発光色によって異なり、周囲温度によっても変化する、と説明しています。さらに、半導体特有の特性値の分布、いわゆるバラツキもある、とされています。定電圧駆動の場合は、こうした変化やバラツキを考えた設計が必要だ、と書かれています。
5. 並列ならLEDごとに抵抗を入れる
LEDを定電圧で並列に配置する場合、ロームは、直列点灯回路を横に並べたように、LEDごとに制御抵抗を入れる回路をすすめています。抵抗1つで電流を制御すると、VFの違いによってそれぞれのLEDに流れる電流を制御しにくくなるためです。
5つのポイントの早見表
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 1 電流を決める | データシートで点灯させたいIFを決める |
| 2 VFを読む | IF-VF特性から、そのIFでのVFを読み取る |
| 3 計算する | R=(Vin-ΣVF)÷IF |
| 4 変化とバラツキ | VFは材質・色・温度で変わり、個体差もある |
| 5 並列のとき | LEDごとに抵抗を入れるのがすすめられている |
(ローム TechWeb「LED回路構成」の説明をもとに整理)
計算してみよう
ここでは、説明のために仮の値を置いて計算してみます。実際の値は、使うLEDのデータシートで確かめてください。
LED1個の場合
電源電圧を5V、LEDの順方向電圧を2.0V、流したい電流を10mA(0.01A)とします。
R =(5V - 2.0V)÷ 0.01A = 3V ÷ 0.01A = 300Ω
計算上は300Ωの抵抗が必要になります。
LED2個を直列にする場合
同じ条件で、LEDを2個直列につなぐと、順方向電圧の合計は2.0V×2=4.0Vになります。
R =(5V - 4.0V)÷ 0.01A = 1V ÷ 0.01A = 100Ω
LEDを直列に増やすと、抵抗にかかる電圧が小さくなり、必要な抵抗値も小さくなります。
計算結果の表
| 条件 | 電源電圧 | ΣVF | IF | 計算上のR |
|---|---|---|---|---|
| LED1個 | 5V | 2.0V | 10mA | 300Ω |
| LED2個直列 | 5V | 4.0V | 10mA | 100Ω |
| LED1個(電流を5mAに) | 5V | 2.0V | 5mA | 600Ω |
(いずれも仮の値による、この記事での計算です。VFは電流によって変わるため、5mAのときのVFはデータシートで読み直す必要があります)
電源電圧ごとの計算例
電子工作でよく使われる電源電圧で、同じ条件の計算をしてみます。LEDの順方向電圧を2.0V、流したい電流を10mAとした、仮の値による計算です。
| 電源電圧 | 抵抗にかかる電圧 | 計算上のR | 抵抗の消費電力 |
|---|---|---|---|
| 3.3V | 1.3V | 130Ω | 13mW |
| 5V | 3.0V | 300Ω | 30mW |
| 9V | 7.0V | 700Ω | 70mW |
| 12V | 10.0V | 1000Ω | 100mW |
(いずれも、この記事での計算です)
電源電圧が上がると抵抗値も電力も増える
表を見ると、電源電圧が高くなるほど、抵抗にかかる電圧が大きくなり、必要な抵抗値も、抵抗で消費される電力も増えることがわかります。12Vの例では、LEDそのものより抵抗のほうが多くの電力を使っている計算になります。
低い電源電圧はVFの影響を受けやすい
3.3Vの例では、抵抗にかかる電圧は1.3Vしかありません。ロームが説明しているように、VFにはバラツキや温度による変化があるため、抵抗にかかる電圧が小さいほど、VFが少し変わっただけで電流が大きく変わりやすくなります。電源電圧とVFが近いときは、とくにデータシートの値をよく確かめましょう。
抵抗で消費される電力も確かめる
電力は「電圧×電流」
抵抗には電流が流れるので、電力を消費して熱が出ます。抵抗で消費される電力は、抵抗にかかる電圧と流れる電流をかけた値です。
計算例
LED1個の例では、抵抗にかかる電圧は3V、電流は0.01Aなので、電力は3V×0.01A=0.03W(30mW)になります(この記事での計算です)。抵抗を選ぶときは、定格電力がこれより十分大きいものを選びましょう。
電源電圧が高いときは注意
電源電圧が高くなるほど、抵抗にかかる電圧が大きくなり、消費される電力も増えます。抵抗の定格電力を超えないよう、計算で確かめておくことが大切です。
並列回路で気をつけたいこと
抵抗1つでまとめない
ロームの説明では、LED①とLED②の順方向電圧が異なる場合、抵抗1つで電流制御を行うと、それぞれのLEDに流れる電流を制御することが難しくなる、とされています。
LEDごとの抵抗で明るさをそろえる
LEDごとに抵抗を入れる回路では、それぞれのLEDに流れる電流を設定できるため、電流値をそろえたり、明るさのバラツキを抑えたりする設定がしやすくなる、と説明されています。
入力電圧を高めにする設計も
さらに、入力電圧を高く設定するなどして、抵抗にかかる電圧の分を大きくすることで、バラツキに対応した設計も可能になる、と書かれています。抵抗にかかる電圧の割合が大きいほど、VFの差が電流に与える影響が小さくなる、という考え方です。
実際に部品を選ぶときの手順
ここからは、ロームの説明をもとにした、この記事の提案です。
データシートを先に用意する
LEDを買ったら、型番からデータシートを探して、IF-VF特性のグラフと、流してよい電流の上限を確認しましょう。値がわからないまま計算すると、思ったより明るすぎたり暗すぎたりすることがあります。
計算値に近い市販の抵抗を選ぶ
計算した抵抗値ぴったりの抵抗が手に入らないこともあります。その場合は、近い値の抵抗を選び、その抵抗で流れる電流をもう一度計算して、上限を超えないか確かめましょう。迷ったときは、電流が少なくなる大きめの抵抗値を選ぶと安心です。
テスターで電流や電圧を確かめる
回路を組んだら、テスターで抵抗の両端の電圧を測り、電流を計算してみましょう。抵抗にかかる電圧を抵抗値で割れば、実際に流れている電流がわかります。
温度の変化も考える
ロームが説明しているように、VFは周囲温度によって変化します。暑い場所や寒い場所で使う作品は、明るさが変わることも考えておきましょう。季節を変えて点灯のようすを見比べてみると、温度による違いに気づけるかもしれません。
電流制限抵抗のよくある質問
抵抗なしでLEDをつないでもいい?
ロームの説明では、定電圧で点灯する場合は、一般的にLEDと直列に電流を制御する抵抗を入れた回路で構成するとされています。電流を決める部品なしでつなぐのは避けましょう。
VFはどこで調べる?
使うLEDのデータシートにある、順方向電流(IF)-順方向電圧(VF)特性のグラフで確かめます。
色が違うLEDを並列にしてもいい?
IF-VF特性は発光色によって異なるとされています。並列にする場合は、ロームがすすめているように、LEDごとに抵抗を入れるのがよいでしょう。
電流を減らすとどうなる?
計算式では、IFを小さくすると必要な抵抗値は大きくなります。流れる電流が少なくなるので、LEDの明るさは変わります。どのくらいの明るさになるかは、データシートの特性で確かめましょう。
定電流駆動なら抵抗の計算はいらない?
ロームの説明では、定電流駆動の場合は、VFの変化は深刻な問題にならないとされています。駆動方法によって設計の考え方が変わるので、使う回路やICの資料もあわせて確認してください。
電流制限抵抗の求め方を覚えてLEDを光らせよう
LEDの電流制限抵抗は、流したい電流(IF)を決め、そのときの順方向電圧(VF)をデータシートで読み取り、R=(Vin-ΣVF)÷IFで計算します。VFは材質や色、温度で変わり、バラツキもあるため、並列にするときはLEDごとに抵抗を入れるのがすすめられています。
データシートと計算で確かめながら、安心してLEDを光らせてみてください。