SRAMとDRAM、フラッシュメモリは何が違う?電源と記憶のしくみから三つを比べ、略語だけの暗記をやめて資料を読み進める入門案内

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スマホの仕様を見たら、メモリの容量と、写真などを保存する容量が別々に書いてある。

どちらもデータを覚えるものなのに、なんで二つ?
しかも半導体の解説を開くと、SRAM、DRAM、フラッシュメモリまで出てくる。名前、増えたっ!

ここは略語を三つまとめて丸暗記する前に、記憶を保つ方法から分けてみよう。

SRAMは回路の状態で記憶し、電源を供給している間はDRAMのような定期的なリフレッシュを必要としません。DRAMはコンデンサに蓄えた電荷で記憶し、電源がある間もリフレッシュが必要です。フラッシュメモリは、電源を切ってもデータを保持できる不揮発性メモリです。

三つとも、データを扱う半導体メモリ。でも、覚えておく仕組みは違う。
最初の答えはここです。

この記事は、三種類を初めて比べる人向けの基礎案内です。メーカーの技術解説で構造を確かめながら、紙へ何を描くと違いを整理できるかも紹介します。特定のスマホを分解した結果や、部品の速度を測ったレビューではありません。

目次

最初は「電源を切った後も残せる?」で分けてみよう

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メモリという言葉が出るたび、全部同じものを指していると思うと、途中で話がつながらなくなります。

まず一つ、比較する質問を決めよう。
電源を切った後も、記憶内容を保てる種類なのか?

ロームの半導体メモリの基礎解説は、電源を切ると記憶内容が失われるものを揮発性、失われないものを不揮発性と区別しています。今回扱うSRAMとDRAMは揮発性、フラッシュメモリは不揮発性です。

「揮発」と聞くと、液体が蒸発するような話を思い浮かべるかもしれません。でも、ここで分類しているのはメモリの記憶が電源を切った後に保たれるかどうか。チップが空中へ消えるという意味ではありません。

紙の左側にSRAMとDRAM、右側にフラッシュメモリと書く。その上へ、左には電源を使って記憶を保つ、右には電源を切っても保持できる、と添えてみてください。

この段階では、速さの数字を入れなくていいよ。何ギガバイトかも、いったん後へ。まず種類の分かれ目を一つ残します。

たとえばスマホの保存した写真を考えると、電源を切るたびにすべて失われては保存先として困りますよね。フラッシュメモリを理解する入口は、その「切った後も残したい」という役割です。

一方、動作中に扱うデータを置く役割には、SRAMやDRAMなどが使われます。保存する役割と、動作中のやり取りを支える役割を同じにしないと、機器の仕様に複数の容量が並ぶ理由を考えやすくなります。

ただし、手元のスマホの画面にどういう名称が出るか、内部に何を搭載しているかは機種ごとに確認すること。この記事の分類から、どの製品も同じ配置、同じ容量だと決めません。

そして、RAMと付けば全部揮発性、と覚えるのも避けよう。ロームの分類には、不揮発性のFeRAMも載っています。今回は三種類を比べているのであって、全メモリを三つの箱へ押し込んだ図ではないんです。

まずはSRAM、DRAM、フラッシュ。この三つの位置を決める。
ほかの名前を見つけたら、あとから箱を増やしていいよ。

SRAMは、回路の状態で記憶する。静的でも電源は必要だよ

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SRAMのSはStatic。日本語では静的と呼ばれます。

静的、、、、ということは、放っておいてもずっと残る?
ここは、一つ条件を付けて読もう。

電源を供給している間、という条件です。SRAMも今回の分類では揮発性なので、電源を切った後まで保存できるフラッシュメモリと同じではありません。

ロームのSRAMの原理解説は、フリップフロップ回路で一とゼロを記憶することを説明しています。回路が取り得る状態を使って、データを表すという入口です。

この名前も最初は大きく見えるけれど、今の比較では回路の細かな動作を全部説明できなくても大丈夫。SRAMは「回路の状態」、という手がかりを一つ残します。

先ほどの紙に、SRAMの下へ小さな四角を描き、中にゼロまたは一と書いてみましょう。その横へ、電源がある間の状態、と添える。これは考え方を整理する記号で、実際の回路図ではありません。

次に、その四角を囲むようにトランジスタという言葉を書く。ロームの説明には六トランジスタのセルや、四トランジスタのセルの構成が載っています。ここから分かるのは、SRAMをトランジスタ一個だけで記憶する箱として描くのは適切ではない、ということです。

六個と書かれた構成を見たからといって、すべてのSRAMが絶対に同じセル構成、と一般化もしません。入門の図と、個別製品で使う回路は分けて読むんです。

サムスンのSRAM用語解説は、SRAMについて電源がある間データを保つものと説明しています。DRAMのように定期的に記憶を更新する処理を必要としない点が、次の比較につながります。

ここで「リフレッシュ不要」と「電源不要」を混ぜないでね。

リフレッシュは記憶を保つための処理の話。電源は回路を動かす条件の話。前者が不要でも、後者までなくせるという説明ではありません。

自分の言葉で一行書くなら、SRAMは電源がある間、回路の状態で記憶する、としてみましょう。その一行へ、DRAMのような定期的なリフレッシュは不要、と次を足せます。

名前だけの暗記から、条件付きの説明へ。
ここまで言えると、Staticの文字を見たときに「何が静的なのか」を考える足場ができるよ。

DRAMは電荷で記憶する。電源があってもリフレッシュがいる

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SRAMもDRAMも、電源を切ると記憶を保てない種類。
では、電源がある間は同じ仕組み?

ここで二つ目の分かれ道です。
DRAMは、電源がある間にも記憶を保つためのリフレッシュを必要とします。

ロームのDRAM解説は、メモリセルを一つのトランジスタと一つのキャパシターで構成すると説明しています。キャパシターはコンデンサのことです。

サムスンのDRAM用語解説は、蓄えた電荷が時間とともに減るため、電源が入っていても定期的なリフレッシュが必要になることを説明しています。

SRAMの紙の隣へ、DRAM用の四角を描き、その中にコンデンサと書いてみて。その横に、電荷を使って記憶、という言葉を置きます。次に、外側から戻ってくる矢印を描き、リフレッシュと添える。

もちろん、この矢印は整理用の記号です。実際の信号線やタイミングを描いた回路図ではありません。でも、二種類の覚え方を一枚で見比べる手がかりになります。

電源があることと、記憶がそのまま保てることは別。
ここ、DRAMを読むときの大事なところです。

たとえば解説に、定期的な処理が必要、と書かれていたら。電源を一定時間ごとに切って入れ直す作業だと読まないでください。リフレッシュは、記憶内容を保つために行う処理です。

パソコンを使う人が、画面の更新ボタンを押してデータを保つという意味でもありません。同じ更新という言葉があっても、ブラウザのページを読み直す操作とは別の層の話です。

実際に何回、どんな時間間隔で処理するかは、対象製品の仕様や動作条件へ進むところ。入門記事で一つの時間を覚えて、すべてのDRAMへ当てはめる必要はありません。

まず、何のために行うのかを言えるようにしよう。電荷を使った記憶を保つため。そこまで分かれば、技術資料でリフレッシュという語を見つけたとき、単なる待ち時間の数字として扱わずに読めます。

ここまでの二つを比べると、SRAMは回路の状態、DRAMはコンデンサの電荷。どちらも揮発性ですが、電源がある間の保持方法に違いがあります。

同じ左側の箱に入るけれど、中をもう一段分けられる。
だから、最初に揮発性でまとめたことと、SRAMとDRAMを分けることは矛盾しないんだね。

フラッシュメモリは、電源を切っても保持できる仕組み

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最初の紙の右側へ戻ろう。ここに置いたのがフラッシュメモリです。

SRAMとDRAMの比較では、電源を使う間の保持方法を見ました。フラッシュでは、電源を切った状態でもデータを保てることを見ます。

キオクシアのNAND型フラッシュメモリの解説は、絶縁体に囲まれた電荷蓄積膜へ電子を出し入れし、データを記憶する仕組みを説明しています。電源を切っても、その記憶状態を保持できるのが特徴です。

DRAMも電荷、フラッシュも電子の話。
じゃあ同じなの?

言葉の一部が似ていても、記憶する構造と保持する条件が違います。電気を使う部品、という大きなくくりだけで、一緒の仕組みにはしません。

紙にフラッシュの四角を描くなら、電荷を蓄える部分と書き、その横に電源を切っても保持、と置いてみてください。DRAMに書いたリフレッシュの矢印を、そのままこちらにも写す図にはしません。

このとき、電源なしで読み書きできる、と書かないようにしよう。

電源を切っても記憶を保てることと、電源なしで新しい写真を書き込めることは違います。保持の性質を説明しているのであって、機器を動かす電源がいらなくなる話ではありません。

キオクシアは、文字や画像、音楽などを一とゼロの組み合わせで記憶することも説明しています。写真だから写真の形のまま小さなチップに貼られる、という想像から、デジタルデータを記憶する話へ移る入口になります。

たとえば、紙へ「写真を保存」とだけ書く代わりに、データを記憶状態へ書き込む、と添えてみる。読み出すときは、その状態をデータとして読み取る、と続ける。この言い換えで、部品の仕組みと画面の写真の見た目を分けて考えられます。

ただし不揮発性だから、保存したものが絶対に永久に失われない、とまでは言えません。この分類は保持の性質です。故障、書き換えの条件、保存期間などをすべて保証する言葉ではありません。

ここでは一種類のフラッシュを説明する入口として、NAND型のメーカー資料を使いました。フラッシュ全体の製品仕様や、保存装置ごとの保証条件まで同一だと決めないようにします。

まず、電源を切った後もデータを保持できる種類、と言えるようになる。
そこから具体的な保存装置や個別製品の資料へ進めば、調べる順番を作れるよ。

三つを一枚で比べてから、必要な章だけ読み進めよう

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三つの説明を読んだら、最初の紙を一度見直してみて。
電源の条件と、記憶する方法は、別々の言葉で残せているかな?

SRAMの欄には、揮発性、回路の状態、DRAMのような定期的なリフレッシュは不要。DRAMには、揮発性、コンデンサの電荷、リフレッシュが必要。フラッシュには、不揮発性、電荷を蓄える構造、電源を切っても保持。

この三行が、今回の比較のメモになります。すべての回路を描けたという図ではなく、次の技術解説を読むための入口です。

覚えたか確かめるなら、略語の名前を隠すより、条件のほうを隠して説明してみて。電源がある間の保持に定期的な処理が必要なのはどれか。電源を切った後も保持できるのはどれか。

名前を思い出す練習だけで終えず、どう違うかを答える練習に変えるんです。答えが止まった箇所だけ、メーカーの説明へ戻ればいいよ。

体系的な図解も欲しいなら、技術評論社の『図解即戦力 半導体のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』が候補になります。田中瑞穂著、森山悟士監修、紙版のISBNは9784297148300です。

出版社の目次では、第七章に半導体メモリの概要、RAMとROM、SRAM、DRAM、フラッシュメモリなどの項目があります。今回の三種類を、一つの章の中で学び直すための関連性が確認できます。

本全体を読んだ使用感を紹介しているわけではありません。購入候補として見ているのは、出版社が公開した構成です。目次に項目があることと、自分に説明の詳しさが合うことは別なので、公開されている案内も見て選びましょう。

買う前には、製造工程を中心にした別の本と取り違えないよう、書名と著者、ISBNを合わせます。検索結果には関連書籍や電子版も出るため、紙の本が欲しいなら、その販売形式まで確認してください。

すでに同書を持っているなら、新しく一冊増やす必要はありません。第七章を開き、今回の紙で説明が止まった言葉を調べる方法から始められます。

今はフリップフロップが気になるなら、同書のデジタル回路の章にもその項目があります。いきなり最初から全部読み直す前に、メモリの説明で出てきた言葉を一つ戻って確認する読み方です。

ニュースでHBMなど別の名前が出た場合も、今回の三つを全部作り直す必要はありません。記憶素子の仕組みの話なのか、接続や積層の構成の話なのかを分け、必要な資料へ進んでください。

今日は、紙に三つの名前と保持する条件を書ければ、まず一歩。
電源は? 記憶はどう保つ? リフレッシュは?

略語が出てきたら、もう名前だけの行列にはしない。
自分の言葉で一つ説明して、その先の図へ進もう!

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この記事を書いた人

半導体の仕組みや業界、仕事を調べ、初めての方にも伝わる言葉で解説する編集部です。

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