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入力が同じ2.5ボルト(V)なのに、さっきは出力が高く、今度は低い。回路の説明を読んでいると、「同じ電圧なら、同じ答えじゃないの?」と引っかかることがあります。
シュミットトリガーは、入力電圧を上げるときと下げるときで、出力が切り替わる境界を分けます。 この性質がヒステリシスです。今の入力だけでなく、そこまでどちら向きに変化したかも、出力を読む手がかりになります。
ここでは、具体的な製品の仕様値とは分けた、学習用の仮の数字で見てみよう。
上がるときは3V、下がるときは2V、という仮の回路なら
東芝のシュミットトリガー解説では、入力が上がる側と下がる側で、しきい値が違うと説明されています。しきい値は、ここでは出力を切り替える境界の電圧です。
入力が低いと出力が高く、入力が高いと出力が低くなる回路を、インバーターと呼びます。次の例は、その出力を反転するタイプとして考えます。
仮に上昇側3V、下降側2Vとした場合の流れです。実在するICの数値を示す表ではありません。ICは、複数の素子で回路を一つの小さな部品にまとめた集積回路のことです。
| 入力の動かし方 | 入力電圧 | この仮の回路の出力 |
|---|---|---|
| 低いところから上げてきた | 2.5V | 高いまま |
| さらに上げ、上昇側の境界を超えた | 3.2V | 低く切り替わる |
| そこから下げてきた | 2.5V | 低いまま |
| さらに下げ、下降側の境界を下回った | 1.8V | 高く切り替わる |
見てみて、2.5Vの行が二つありますね。同じ数字でも、一つは上がる途中、もう一つは下がる途中。そこを飛ばすと、表が矛盾しているように見えてしまうんです。
境界を二つにするのは、小さな揺れで切り替わり続けないため
東芝の解説では、ヒステリシスを持たせることで、ゆっくり変化する入力でも出力が安定することを説明しています。
先ほどの仮例なら、3.2Vになって出力が低く切り替わったあと、入力が2.8Vへ少し下がっても、下降側の2Vには達していません。だから、すぐ元へは戻りません。
ただし、どんな大きさのノイズでも消せるという話ではありません。ノイズは、信号に重なる意図しない揺れなどのこと。実際の部品では、電源条件やしきい値の範囲を、製品の仕様書で確認します。
部品を探すときは、「反転」と「シュミット入力」を分けて見よう
実在する製品例が、東芝のTC74HC14APです。メーカーの製品概要では、反転機能とシュミットトリガー入力を備える6回路入りの製品と確認できます。
「反転」は入力の高低と出力の高低を逆にすること。「シュミット入力」は、今回見た二つの境界の性質に関わること。同じ項目の言い換えではないんですね。
品番は、商品を区別する番号です。
今回の仮の3V・2Vを、この部品の仕様値として使わないでね。購入や設計では、品番の末尾まで合わせ、メーカーの当該仕様書で電源電圧や接続する端子を確認してください。ここでは実機への接続や動作試験は行っていません。
次に波形、つまり電圧が時間とともにどう変わるかを表した図を読むときは、同じ高さの一点だけで止まらず、その前から矢印をたどってみよう。「上がってきた? 下がってきた?」の一言が、二つのしきい値を読む入口になります。